特定技能は、2019年から始まった新しい制度で、技能実習生とは異なり、特定の産業分野で相当程度の技術と経験に裏付けされた技能を持つ外国人を、現業社員として雇用できる制度です。
現業社員を雇用したいという会社は、上の表の14の産業分野に当てはまる事業であれば、「相当程度の技術と経験を必要とする」業務に外国人を就かせることができます。ただし、該当する分野と業務はさらに細かく規定されているので、個別具体的な検討が必要となります。この産業分野に当てはまらない事業(例えばリサイクル事業)で特定技能外国人を雇用することはできませんし、ほとんどの場合、技能実習も該当しないので、外国人の雇用は不可能です。
特定技能制度は、技能実習で問題となった非人道的な雇用環境やその結果としての失踪者の増加という課題を解決するために設けられた制度であるため、当局の規制が非常に厳しい、複雑な制度となっています。簡単に理解することは難しいのですが、大きな特徴を挙げると次のようなものになります。
- 外国人の採用ルートは (1) 技能実習生あがり (2) 技能試験と日本語能力試験の合格者 (3) 転職者の3つがあります。転職が認められたので、労働市場の流動性は高まりました。
- 受入企業は「特定技能外国人支援計画」を策定し、それを実施する責任者と担当者を配置し、外国人の受け入れ時に、住居の確保、日本語の習得、生活ガイダンスなどの支援を行うほか、雇用している間は継続して苦情と相談の受付と定期的な面談を実施して、その結果を年に4回、入国管理署に報告しなければなりません。この支援計画が自社で実施できない場合は、認可された登録支援機関という団体に業務の全部を、または就労外国人の受け入れに実績のある機関に、全部または一部を委託しなければなりません。
複雑な特定技能制度を企業経営者の方々に理解していただくために、「特定技能丸わかり、早わかりシリーズ」動画を用意しました!
特定技能丸わかり、早わかり
入門編です
特定技能とは?
外国人雇用の新しい制度、特定技能について、背景、特徴、メリット・デメリットと意義について、重要なポイントを押さえた、分かりやすい解説動画です。3本の動画からなっています。
実務編です
特定技能ここが分からない(2)労働法令違反などの条件
特定技能外国人を雇用する時の第2の関門である、労働法令、入管法令などの違反がないことという、さらに技術的な問題がテーマになります。
New! 特定技能ここがわからない(3)雇用後にやること
実務編の最後は、特定技能外国人を雇用した後に、受入企業が行わなければならない、特定技能支援計画と様々な届出についての解説になります。